不倫慰謝料を請求された時、そのまま受け入れて和解するには厳しい条件を相手から提示されて悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
相手は感情的になっていて、相場よりも高い金額や無理な要求をしてくることがあります。それだけあなたに対して怒っていて、あなたにきちんと謝罪をしてほしいと思っているからです。
しかし、相場を大きく上回る金額の慰謝料や、金銭以外の要求など、応じる必要がない場合もあります。そもそも相手の主張が事実とは異なる場合には、もちろん応じる必要はありません。
ここでは、慰謝料を請求された時の対応の流れをご紹介します。
慰謝料を請求された時に確認する事
慰謝料の請求が来たら、まずは落ち着いて内容を確認しましょう。確認するべき事項は主に次の2点です。
1.不貞の事実の正否
相手の主張している内容は、事実に合致していますか?
そうではない場合、それを客観的に見ても合理的であるように反論をしていく必要があります。例えば、相手の勢いに負けてしまい、慰謝料の支払いに合意してしまうと、嘘を事実と認めてしまうことになってしまいますので、自分一人では対応しきれないと感じたら、早めに専門家に相談をしましょう。
こちらが不貞の事実はないと主張した場合、相手は交渉を続けるか、断念するか判断しなければならなくなります。その中には裁判に移行するという選択肢もあります。相手も何の根拠もなく慰謝料を請求してくることはありませんし、ここで頑なに否認し続けて、後から決定的な証拠が出てきた場合、さらに交渉は困難になります。裁判では、否認し続けた後、決定的な証拠が出てきたとなると、慰謝料の増額事由にもなり得ますので、不貞が事実であるなら、事実を認めて謝罪をし、示談での解決ができるよう話し合いをしてく方が無難でしょう。
2.相手が何を要求しているのか
不貞があった事を認める場合、相手の要求とどう折り合いをつけるかが問題になってきます。
相手から、高額な慰謝料額を提示される場合や、「会社を辞めろ」「引っ越しをしろ」といった条件を提示されるなど、過度な要求を受ける場合があります。示談条件を決める際には、相手と交渉して、お互いに納得できる妥協点を見つける事が重要になってきます。しかし、相手にとって、不貞をしたこちらは加害者。当事者同士で交渉をすると、かえって示談条件を悪化させてしまうことも少なくありません。
こういった場合は、第三者である弁護士を間に挟んで、法律の観点から助言してもらいつつ相手に理解をしてもらう交渉が有効になってきます。弁護士が間に入ることで、お互いが直接感情をぶつけ合う場面が減り、冷静に話し合いを進めることもできます。
不倫慰謝料を減額・免除されるケース
適切な慰謝料金額は、当事者ごとの事情を考慮して算定されるので、金額表や、明確な計算式のようなものはありません。しかし、慰謝料を減額(場合によっては免除)される要因がいくつかあります。
- 以前から別居していて夫婦関係破綻の原因が不倫であると推測できない場合 ⇒慰謝料を請求できない
- 不倫に至った原因が相手側にある(性交渉の拒否など)
- 既に謝罪をしていたり、慰謝料を支払っている
- 既に社会的な制裁を受けている(退職など)
- 不倫期間や回数が少ない
折り合いがつかない場合は裁判に
事実への反論や慰謝料の減額交渉に相手が納得して応じてくれない時には、裁判に移行する場合があります。繰り返しにはなりますが、裁判上では、より慎重に適切な反論をしなければならないので、不貞の事実があるのに嘘をついて否定を続けるのは良くありません。後から証拠が出た際に慰謝料の増額事由になる可能性があります。
しかし、自分が反論できる証拠を持っていないからといって、事実ではないことを認める必要もありません。弁護士へ相談し、解決策を探していきましょう。